エルフの血脈(魔法剣士ゲラルト)

「エルフの血脈(魔法剣士ゲラルト)」、読了しました。

エルフの血脈 (魔法剣士ゲラルト)

エルフの血脈 (魔法剣士ゲラルト)


書名:エルフの血脈(魔法剣士ゲラルト)
著者:アンドレイ・サプコフスキ
イラスト: 吉岡愛理
訳者: 川野靖子、天沼春樹


 ところでこの表紙を見てくれ、こいつをどう思う?


Amazonの表紙画像ページ(拡大)へ)
http://www.amazon.co.jp/gp/product/images/4150205140/ref=dp_image_text_0?ie=UTF8&n=465392&s=books


 凄く…日本的です。
 いや、それ自体は当たり前ですけども。


 ちなみに、原著の方はこんな感じ…(上段、左から3つ目、Krew elfowが、エルフの血脈にあたるらしいです)


http://niespodzianka.pl/presents/23191d6d83fe23be8018b3cbcebaec78.jpg


 日本版の表紙中央に居る活発そうな金髪娘が本書のヒロイン、亡国シントラ最後の王族、シリ王女(13)。
 そして、右奥に泰然と立つのが、本作のヒーロー、魔法剣士(ウイッチャー)のゲラルド…なかなかシブいイケメンです。


 本作の流れは、ゲラルトにより、戦禍から保護されたシリの成長物語と、その周囲で渦巻く大人達の陰謀から守ろうとするゲラルトさん及びその知人のお話に、世界観と主要人物の紹介エピソードが添えられてゆく感じとなっています。
 なので、1巻はまだまだ始まりの物語といった感じですが、読んでいて楽しく、次回以降への期待感を盛り上げてくれます。


 本作の前に原書では短編集としてゲラルトが主人公の6つの短編がリリースされているらしく、各編毎の簡単な説明が冒頭に記されています。
 そこに、シントラの王女パヴェッタと奇妙な求婚者の話があり、結果的に結ばれる事となった二人の子供がシリ王女という訳です。
 そして、そこから立ち去る時、ゲラルトはパヴェッタが既に身籠もっていた子供を将来迎えに来ると言い残して去っていたのでした。
 まぁ、シリを救い出したのは正に有言実行だった訳です。
 本編中で、なにやら運命的な因縁がある様に書かれていますが…


<世界観>


 作品は、エルフ、ドワーフ、ノーム等の亜人が少々と、多量の人間が存在する大陸で展開します。
 その中でも北方諸国が舞台となる模様。
 北方諸国は、キードヴェン、レダニア、テメリーエン、エーディルンの(四王国)を指すようですが…
 本来は更に1国、シントラがあった様ですが…2年前に南から侵攻してきたニルフガルド帝国により蹂躙し尽くされ、今では属州の憂き目に…生き残りは今でも捲土重来、或いは復讐を胸に反抗軍を結集している模様。
 そして、ニルフガルド帝国の脅威に一度は同盟した北方諸国及び亜人達ですが…ニルフガルドを押し返した今、その同盟の基盤はかなり脆くなってきている模様。
 巷では亜人達への人種差別が強くなり、それに呼応する様に、人間を直接的手段で排斥する亜人のテロ集弾「スコイア・テル(通称;リス)」の台頭、ニルフガルドの経済侵略…等々、政情不安の要因には事欠きません。
 ついでに、魔物も大量発生している為、ウイッチャーも仕事には事欠きません。


<ウィッチャー>


 ゲラルト達、ウィッチャーは、錬金術の秘技により身体を変異(mutation)させた人間であり、常人を遙かに凌駕する能力を持ちます。
 更には、必要に応じて霊薬を服用する事により更に能力を拡大したり、獲得する事が可能です。
 又、簡単な魔法も扱う事ができます。
 無論、まっとうな人間だったら死ぬだろ、ソレ!?という訓練もセットですけど。
 余りにも強力過ぎる上に、世間に蔓延る迷信と非寛容な宗教の流布等といった要因が重なり、ウィッチャーはよくバケモノ扱いされ、あまつさえ、魔女狩りの対象になる事も珍しくはない模様。
 そんなこんなでウィッチャーの数は激減し、今では数名を数えるのみ…その内増えるのかな…
 ちなみに、ウィッチャーの組織は絶対中立が基本らしく、報酬ずくで動きます。
 故に、ゲラルトさんも、口癖みたいに、幾ら出す的な事をおっしゃいます。


<PCゲーム:The Witcher>


 ちなみにこの小説、ゲームになってます。
 それも、かなりの大ヒット作です。


The Witcher: Enhanced Edition (輸入版  UK)

The Witcher: Enhanced Edition (輸入版 UK)


(公式)
http://www.thewitcher.com/


(日本の解説Fanサイト)
http://thewitcher.jpn.org/


 ゲラルトさんが主人公で、エルフの血脈でゲラルトさんとただならぬ仲な感じで出てきた魔術師トリス・メリゴールドお姉さんがプロローグから出てきたりして、彼女が何であんなにウイッチャー達と仲が良かったのか分かったりします。
 …しかし、小説読んだ時、トリスさん普通にローブ着た魔術師だと思ってたよ。
 もっと活動的だたヨ。
 医学生のシャニも、赤毛のショートカットでなんか、動きやすそうな服着てたしネ。


 ゲーム内容としては、アクションRPGでクエストをしてチャプターを進行させていく形式となっています。
 箱庭RPGとリニア型が混じった感じ…かな。
 戦闘は、敵にカーソルをあててクリックするとコンボが始まり、後は照準しているアイコンが剣、或いは、炎の剣になった瞬間に左クリックをすると更にコンボが続く目押しゲーっぽい戦闘です。
 ただし、リアルタイムなので普通に回り中の敵がどついてくるのである程度は普通に避けねばなりません。
 それに加えて、戦闘スタイル「ストロング・強くて固い敵向け」、「ファスト・素早い敵向き」、「グループ・群れる雑魚向け」の上中下段構えを切り替えて、より有効なコンボを繰り出すのも大事。
 ゲームの難易度を上げている場合は、上記に加えて、錬金術で霊薬を備えておくのも大事な要素です。
 体力の回復、夜目が利く薬等々、色々と作れます。


 そして…このゲーム、なんか、酒場で酒を奢って、自分が酔いつぶれない様に呑ませつつ情報を引き出したり、女性NPC口説いてベッドINしたり、賄賂出したり…かなり色々できて面白いです。


 契約金の交渉で見事に酔い潰されて値切られて実に悔しかったりしますけど。


 ちなみにこのゲーム、公式サイドから公認を受けた日本語化MODが、上記の日本のFanサイトで配布されています。
 インストーラ付きで、殆どワンタッチで日本語化出来てしまう為、ごく普通に日本語で遊べます。
 一応、対応してるバージョンは、色々モーション等が強化されたアップデートバージョン「the witcher enhanced edition」以降なので、今から買うならそっちを買った方がいいですネ!
 価格は細かいオマケ付き(PLATINUM、Director's Cut等)によって違うみたいですが…今の所、3千円〜4千円程度みたいです。


 で…このOPである。


「The Witcher - Intro」
http://www.youtube.com/watch?v=NZcsNE6wCHI


 ゲラルトさん…マジコワモテです。
 これでモテモテだったりするんですからねぇ、やはり、漢というのは強くないといけないみたい。
 ちなみに、このOPは原書で刊行されている短編に記された、テメリーエン国都ヴィジマにて、フォルテスト王から受けた依頼を果たした時のものみたいですね。
 最後に引っかかれたのは首だったんだ…


 ちなみに、もう2が出る事は決定済みみたい。


「The Witcher 2 Assassins of Kings NEW trailer HD」
http://www.youtube.com/watch?v=M1nG5GPWySY&feature=related


 …なんか、冒頭から食べちゃイケナイ肉を食ってた様な気もしますが…それはさておき。
 途中で白髪をポニテにしてたおじさんがゲラルトさんだと思いますが…相変わらずシブイです。
 そして、相変わらずイイ事しちゃってるみたいです。


 まだ序盤までしか遊んでないけど、このままだと2も買うかな…